心理学試験のための問題と資料

公認心理師試験をはじめとした、心理学試験のために作成した問題をのせています。問題は専門書から一部抜粋し変更して作成しています。お役に立てると嬉しいです。

医療計画(問題220~234)

さて、今日から通常運転モードです。

 

さくっと問題から入りましょう。

 

問題

問題220 次のA、Bに当てはまるものを選びましょう。

(A)法30条の4第1項には、都道府県は、厚生労働大臣の定める基本方針に即して、かつ、地域の実情に応じて、当該都道府県における医療提供体制の確保を図るための計画((B))を定めるものとする、とあります。

 

1.病院法 2.医療法 3.感染症法 4.医療計画 5.地域保健法

 

 

 

 

 

 

 

解答

問題220 解答

(A)ー2.医療法 (B)-4.医療計画

(出典:はじめての医事法 成文堂・p54)

 

いかがでしたでしょうか。

 

 

臨床心理士の方には、“医療計画”そのものを聞いたことがない、という方も少なくないでしょう。

しかし、私はなんとなく聞き覚えがありました。

 

 

はて…どこで聞いたのであろうか?

うーん。

なんか…大学の講義で…。

あれ、なんの講義だったかな?

 

……はっ、思い出した(゚д゚)!

 

 

 

私、栄養学の学部にいたんだったわー(笑)。

 

 

 

実は、私は当初、大学で栄養士になるべく栄養学を専攻しており、その時の必修講義に公衆衛生学があったんだと思います。

その中で、もしかしたら“医療計画”を習ったのかもしれません。

 

話は若干それますが、栄養士さんの養成は私が大学に入った頃に転換期に入っており、医学が必修になりつつありました。

(そういえば、生活習慣病のことも習ったね~(*´з`))

医科大学に解剖の見学に行ったこともありますよ。

(事情により、栄養士を取るのはやめましたが、いろいろ勉強になりました)

 

 

じゃあ、なんで医療計画が必要なんでしょう?

 

先生は、

「日本の病院は民間病院が多い。民間病院の開業に任せていたら、医療機関が都市などに集中して偏ってしまう。だから医療計画を立てて、どの地域でも同じ医療を受けられるようにしているのだ」

というようなことを仰っていたような気がします。

(我ながら、うろ覚えだなー(笑))

 

 

ということで、医療計画ってとても大事なものなんです。 

医療法と医療計画はセットですね。

 

 

では、具体的な内容を確認しましょう。

 

 

問題

問題221 次のA、Bに当てはまるものを選びましょう。

医療計画の策定は昭和60年(1985年)の医療法改正により制度化されたもので、基準病床数、地域の(A)や(B)などの確保事業、医療従事者の確保、地域医療支援病院の整備などが定められています。

 

1.精神科医療 2.高齢者医療 3.救急医療 4.へき地医療 5.啓発活動

 

 

 

 

 

 

 

 

 

解答

問題221 解答

(A)-3.救急医療 (B)-4.へき地医療

 (出典:はじめての医事法 成文堂・p54)

 

 

なるほどね~。

 

全ての地域で同じ水準の医療を受けられるように、計画が立てられているんですね~。

 

もっと詳しく見ると、

「平成18年(2006年)の医療法改正により、「これまでの基準病床数に関する事項などに加え、新たに、がん、脳卒中、急性心筋梗塞及び糖尿病に係る治療又は予防に関する事項、救急医療、災害時における医療、へき地医療、周産期医療及び小児医療(小児救急医療)の確保に必要な事業に関する事項、さらに、これらの疾病及び事業に係る医療提供施設の相互の医療連携体制に関する事項が定められるなど、医療計画の見直しを通じて、患者本位の、かつ、安全で質が高く、効率的な医療提供体制の確保を図るために必要な改正が行われ」ました(平成19年7月20日厚生労働省医政局通知「医療計画について」より)。」(2009 久々湊春夫・旗手俊彦 編、はじめての医事法 成文堂 p54)

とあります。

 

 

ここで、察しのいい方はお気づきでしょう。

 

“がん”“脳卒中”“糖尿病”ときたら、『生活習慣病』です。

さらに、“災害時における医療”ときたら、『心理的応急処置〈サイコロジカル・ファーストエイド〉』です。

さらにさらに、“患者本位”ときたら、『インフォームド・コンセント』、

“安全で質が高く”ときたら、『医療安全』ですねー。

 

つまり、健康心理学の範囲とつながる部分が多いんです。

この辺りは、さくっと関連付けて覚えておいた方がいいでしょう。

 

 

では、さくさく、さっくりと復習しましょう。

なんと、ハードルを上げて一部、選択式ではなく、記述式です(*´▽`*)。

 

 

 

問題

問題222 A、Bに当てはまるものを選びましょう。

(A)は、国の基本方針に即して、かつ、地域の実情に応じて、当該(A)における医療提供体制の確保を図るための計画(「(B)」)を定める。

 

1.厚労省 2.政府 3.医療計画 4.都道府県 5.保健所

 

問題223 A、Bに当てはまるものを選びましょう。

医療計画においては、次に掲げる事項を定める。

①医療施設相互間の(A)の分化および業務の(B)の推進

1.専門 2.受け入れ 3.連携 4.機能 5.移行

 

問題224 Aに当てはまるものを選びましょう。

②医療(A)体制における医療機能に関する情報の提供

 1.情報 2.提供 3.専門 4.推進 5.連携

 

問題225 A~Eに当てはまるものを書きましょう。

生活習慣病その他の国民の健康の保持を図るために特に広範かつ組織的な医療の提供が必要と認められる疾病として厚生労働省令で定めるもの((A)、(B)、(C)、(D)、さらに2011(平成23)年から(E)が追加)の治療または予防にかかわる事業

 

問題226 A~Eに当てはまるものを書きましょう。

④(A)、(B)、(C)、(D)、(E)その他都道府県知事が特に必要と認める医療の確保に必要な事業

 

問題227 Aに当てはまるものを選びましょう。

⑤(A)等における医療の確保

1.診療所 2.療養病床 3.障害者施設 4.介護施設 5.居宅

 

問題228 Aに当てはまるものを選びましょう。

⑥医療(A)の確保

1.関係者 2.指導者 3.監督者 4.従事者 5.審査

 

問題229 Aに当てはまるものを選びましょう。

⑦医療の(A)の確保

1.安全 2.質 3.向上 4.倫理 5.ネットワーク

 

問題230 Aに当てはまるものを選びましょう。

⑧(A)医療支援病院その他医療機能を考慮した医療提供施設の整備の目標

1.災害 2.小児 3.精神 4.感染症 5.地域

 

問題231 A、Bに当てはまるものを選びましょう。

⑨主として病院の(A)および診療所の(A)の整備を地域的単位として区分する区域((B))の設定

1.医療従事者 2.施設 3.医療圏 4.連携 5.病床

 

問題232 Aに当てはまるものを選びましょう。

⑩二以上の区域を併せた特別の区域((A))の設定

1.医療圏 2.救急体制 3.災害派遣チーム 4.小児医療 5.大気圏

 

問題233 Aに当てはまるものを選びましょう。

⑪療養(A)および一般(A)にかかわる基準(A)数、精神(A)にかかわる基準(A)数、感染症(A)にかかわる基準(A)数ならびに結核(A)にかかわる基準(A)数に関する事項

1.診療所 2.病床 3.従事者 4.設置 5.病院

  

問題234 A、Bに当てはまるものを選びましょう。

(A)は、少なくとも(B)ごとに医療計画で定められている事項について調査、分析および評価を行い、必要があると認めるときは当該(A)の医療計画を変更する。

1.10 2.厚労省 3.5 4.都道府県 5.保健所

 

 

 

 

 

 

 

 

 

解答

問題222 解答

(A)ー4.都道府県 (B)ー3.医療計画

  

問題223 解答

(A)ー4.機能 (B)-3.連携

 

問題224 解答

(A)ー5.連携

 

 

問題225 解答

(A)ーがん

(B)-脳卒中

(C)-急性心筋梗塞

(D)-糖尿病

(E)ー精神疾患 

※順不同

※解説:A~Dは国が対策を講じる四大疾患であったが、精神疾患が追加され、五大疾患になった、という流れがあったように筆者は記憶しています。精神疾患の追加は精神科医療従事者の悲願でだったと思います。

 

問題226 解答

(A)ー救急医療

(B)-災害時医療

(C)-へき地医療

(D)-周産期医療

(E)ー小児医療

※順不同

※解説:周産期医療とは、妊娠・出産・育児などを包括する医療のことを指したと思います。妊娠期の母体の支援、出産から生まれたばかりの子どもの育児支援は途切れなく行われる必要がありますが、“生まれる前→産婦人科”“生まれた後→小児科”にすると、支援に切れ目ができやすくなるので、妊娠~育児までを“周産期医療”として包括する、と講義で聞いたような気がします。詳しくは成書をあたってください。

 

問題227 解答

(A)ー5.居宅

 

問題228 解答

 (A)ー4.従事者

 

問題229 解答

 (A)ー1.安全

 

問題230 解答

 (A)ー5.地域

 

問題231 解答

(A)ー5.病床 (B)-3.医療圏

※解説:医療圏にはそれぞれ、第1次医療圏、第2次医療圏、第3次医療圏があり、それぞれで役割が違ったと筆者は記憶しています。詳しくは成書で確認してください。

 

問題232 解答

(A)ー1.医療圏

 

問題233 解答

 (A)ー2.病床

  

問題234 解答

(A)ー4.都道府県 (B)-3.5

 

(出典:新体系看護学全書 健康支援と社会保障制度④関連法規 メヂカルフレンド社)

 

いかがでしたでしょうか。

 

 

特に問題225と問題226は暗記しておいた方がいいと思います。

また、“医療圏”“周産期医療”の必要性をご存じない方は、この機会に成書でしっかり確認した方がいいでしょう。

(大学の講義でこの辺を徹底的に教え込まれました。多分、医療関係の国家資格の共通知識なんだと思います)

 

また、五大疾患、災害時医療は健康心理学の分野とも重なります。

関連性を確認しながら、まるっと覚えてしまいましょう~(∩´∀`)∩