説明義務とインフォームド・コンセントをドラマで学ぶ 『白い巨塔』のススメ
GWは結構寝て過ごしていましたが(笑)、ただ寝ていたわけではありません。
実は久々に『白い巨塔』を没頭して見ていました。
『白い巨塔』はみなさん、一度はどこかで聞いたとこがあるのではないでしょうか。
原作は山崎豊子さん。
ドラマ化2回、映画化1回というように、何度もリメイクされており、大学病院と医療界を描いた作品では最も有名だと思われます。
一番最近リメイクされたのは2003年。
私はリアルタイムで見ており、毎週「財前先生の総回診」が楽しみでした(*´▽`*)。
このドラマの目玉は、なかなか知られることのない大学病院の内部なのですが、
もう1つの目玉が医療過誤裁判です。
物語の主人公は大学病院で、ありとあらゆる手を使って出世をもくろむ医師・財前と、
あくまで患者目線に立った医療を追求する医師・里見。
ある日、財前はがん患者・佐々木の治療を担当するのですが、不運にも佐々木は命を落とし、その後、遺族から医療過誤を問われ、裁判を起こされます。
この先はネタバレになるので詳しく書きませんが、説明義務やインフォームド・コンセントを勉強してから見ると、ドラマの中で裁判所が下した判決の理由がよくわかります。
リアルタイムで見ていたときは、「医者って大変ね~」くらいに思っていました。
しかし、公認心理師法ができて、心理士も説明義務、注意義務、過失そしてインフォームド・コンセントの徹底を問われるとき、
「私、財前先生と同じ立場に立ったら、どう説明するだろう…」
と思わざるを得ませんでした。
心理士の中には
「自分は財前のような傲慢な対応はしていないよ」
と思っている方も多いと思います。
…でも、果たしてそうでしょうか。
本当に、そう言い切れますか?
特に心理面接が思い通りに進まなかったとき、
「クライアントや患者さんが悪いから…」
とか、思ったことないでしょうか…(; ・`д・´)
さらに、勉強になるのは、がん治療と緩和ケア、インフォームド・コンセントの現実が描かれていることです。
医療領域の勉強をしてもピンとこなかった方も、これを見れば理解しやすいかもしれません。
先のエントリで取り上げたインフォームド・コンセントの基準に照らし合わせたとき、
医師・財前の治療方針と説明、医師・里見の治療方針と説明の違いが鮮明なります。
この辺も大きな見どころです。
文献での勉強の息抜きに、ご覧になってみてください(´ω`*)。
※筆者の一押しは大河内教授と裁判官(控訴審)のおじいちゃんです(笑)