心理学試験のための問題と資料

公認心理師試験をはじめとした、心理学試験のために作成した問題をのせています。問題は専門書から一部抜粋し変更して作成しています。お役に立てると嬉しいです。

第1回公認心理師試験(2018年9月9日(日)北海道以外実施分)の回答を読み解く ~認知症・脳波編~

11月30日(金)にようやく、第1回公認心理師試験(9月9日(日)実施分)の合格発表と正答表が公表されました。

 

思わぬ結果になった方も多く、ダメダメ心理士日本代表である私のノミよりちっちゃーい心臓は、すでに極寒期の網走並みに震えあがっているでござるです…((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル。

 

厚労省、パネェ…(*´Д`)。

 

 

私は地震の影響で受験できず、12月16日(日)実施の追加試験を受ける予定ですが、自信激落ち。

 

そんな9月9日(日)の試験、問題で「?」と思っているものがありました。

 

それは午前問題・問10。

脳波の問題です。

 

脳波は公認心理師現任者講習会テキスト2018(金剛出版)にも載っていたので、一応押さえていました。

押さえてはいましたが…。

 

認知症の脳波は見落としてましたー(;´∀`)ヒー。

 

というか、認知症については必ず出ると思っていて、HDS-RやMMSE、アルツハイマー型、レビー小体型、前頭側頭型認知症までは押さえていましたが、脳波まで出るとは思っていませんでしたヨ…トホホ。

 

正解した方、尊敬します。

 

ということで、今回は標準精神医学第6版(医学書院)を参考に、認知症の臨床経過や脳波について、おさらいしておきたいと思います。

 

第1回公認心理師試験(9月9日実施分)午前問題・問10

では先に、問題を確認しておきましょう。

 

問10 成人の脳波について、正しいものを1つ選べ。

①α波は閉眼で抑制される。

②α波は前頭部に優位である。

③β波はレム睡眠で抑制される。

④δ波は覚醒時に増加する。

θ波認知症で増加する。

 

うーむ…。

 

子どもや睡眠時の脳波が出るんじゃないかと思っていましたが、成人の脳波ですか。

そうですか。

しかも認知症…。

 

9月9日(日)の試験が終わってからいただいたコピーを見ていろいろ資料を漁っていたのですが、どうも決め手となる資料に行きつかなかった私。

 

やっぱり、ダメダメ心理士故か…。

と思っていたところ、なんと先日職場の空き時間に標準精神医学第6版を開いて、認知症の項目を読んでいたら…。

 

認知症の脳波

書いてあったああああああああ!!

 

 しかも、いろいろ…。

 

実は今年4月に第7版が出ることを医学書院さんがTwitterで教えてくれて、それ以来、家では第7版、職場では第6版で勉強していました。

また、専門書は最新版の情報が優先されると思い、主に第7版に重きを置いていたのですが…。

 

認知症の項目は第6版と第7版ではかなり違っていたんですよね。

 

そっか…認知症は第6版の方がまとまっていたのか…。

 

ということで、今日は第6版を情報から抜粋して認知症をまとめてみます。

 

 

標準精神医学第6版による認知症解説

 

まず、認知症には大きく分けて①アルツハイマー型、②レビー小体型、③前頭側頭型認知症があります。

他にもいろいろな類型がありますが、先に上記3つのタイプと鑑別ポイントを押さえておく必要があるでしょう。

 

では、標準精神医学第6版に書かれているまとめを参照してみましょう。

 

①Alzheimer病の臨床経過(以下、標準精神医学第6版・p390より引用)

 

●前駆期:1~3年間

 軽度認知機能障害期

 記憶:新たな学習の困難、遠隔記憶も少し障害

 知覚:地誌的失見当識、複雑な構成は困難

 言語:ある属性の言葉のリストアップが困難、失名辞、内容の乏しい繰り返し発言

 行動:無関心、時に焦燥、悲哀感や妄想

 MRI:側頭葉内側、海馬の委縮

 PETやSPECT:頭頂葉の後部の血流低下や代謝低下

●stageⅡ:2~10年間

 記憶:近時・遠隔記憶がさらに障害

 知覚:構成障害、視空間失見当識、視覚失認

 言語:流暢性失語、失名辞、錯語、理解不良、対話困難

 他の認知機能:失行、失算

 行動:落ち着かない、うろうろ

 脳波:基礎律動の徐波化(※傍線筆者)

 MRI:脳室の拡大、脳溝の開大

 PETやSPECT:側頭葉の血流低下や代謝低下

●stageⅢ:8~12年間

 認知機能:重度の障害

 言語:反響言語、同義反復、語間代、構音障害、最終的には無言

 運動機能:硬直、屈曲姿勢、両便失禁

 脳波:広汎性の徐波(※傍線筆者)

 MRI:脳室の拡大、脳溝の開大

 PETやSPECT:側頭葉、前頭葉の両側性の血流低下や代謝低下

 

②Lewy小体型認知症(DLB)の臨床診断基準改定版(CDLBガイドライン改訂版)

以下、標準精神医学第6版 医学書院・p400より引用)

 

1.正常な社会的または職業的機能に障害をきたす程度の進行性認知機能障害の存在。

  初期には記憶障害が目立たないこともある。また、注意や前頭皮質機能や視空間機能の障害が特に目立つこともある。

2.コア特徴(probable DLBには2つが、possible DLBには1つが必要)

  a)注意や明晰さの著名な変化を伴う認知機能の変動

  b)構築され、具体的な内容の繰り返される幻視体験

  c)特発性パーキンソニズム

3.示唆的特徴(コア特徴が1つ以上あり、これが1つ以上あればprobable DLB、コア症状がなくてもこれが1つ以上あればpossible DLBと診断できる)

  a)レム睡眠行動障害

  b)重篤抗精神病薬への過敏性

  c)SPECTやPETにて線条体でのドパミントランスポーターの取り込み低下

4.支持的特徴

  a)繰り返す転倒と失神

  b)一過性の意識障害

  c)重篤な自律神経症

  d)他の幻覚

  e)系統的な妄想

  f)抑うつ

  g)CT/MRIでの内側側頭葉の比較的保持

  h)SPECT/PETでも全体的低血流と後頭葉の血流低下

  i)MIBG心筋シンチグラフィでの取り込み低下

  j)脳波での徐波と側頭葉の一過性鋭波(※傍線筆者)

5.可能性の少ないもの

  a)局所性神経兆候や画像で裏づけられる卒中の存在

  b)臨床像を説明しうる身体疾患や他の脳病変の証拠の存在

  c)認知症重篤な時期にパーキンソニズムのみが初めて出現した場合

6.症状の時間的連続性

  認知症がParkinson症状の出現前かそれと同時に出現した場合にDLBと診断すべきであり、Parkinson病が経過するうちに認知症が出現した場合にはPDDという用語が使用されるべきである。この際、“one-year rule”が推奨されるが、“Lewy body disease”とか“α‐シヌクレイノパチー”といった総省が考慮されてもよい。

 

前頭側頭型認知症の臨床経過(以下、標準精神医学第6版 医学書院・p397より引用)

●初期:1~3年間

 人格:機転がきかない、無関心

 判断力:障害あり

 遂行機能:計画と抽象的事項の障害

 記憶:比較的良好

 地誌的見当識:正常

 言語:正常か失名辞、繰り返し発言

 計算:ほぼ正常

 運動機能:正常

 脳波:正常(※傍線筆者)

●中期:3~6年間

 言語:常同的発語、理解不良、失語

 記憶:比較的保たれる

 視空間見当識:比較的保たれる

 判断力:さらに悪化

 遂行機能:さらに悪化

 Klűver-Bucy症候群:部分症状が存在

 運動機能:比較的保たれる

 脳波:基礎律動の徐波化(※傍線筆者)

 CT、MRI前頭葉もしくは側頭葉の局所的委縮

 PETやSPECT:両側前頭葉の血流低下や代謝低下

●末期:6~12年間

 言語:無言、理解不良

 記憶:悪化

 視空間見当識:悪化

 認知機能:重度の障害

 運動機能:錐体外路症状、または錐体路症候の混在

 脳波:広汎性の徐波、もしくは前頭葉・側頭葉の局所性徐波(※傍線筆者)

 CT、MRI前頭葉もしくは側頭葉の局所的委縮

 PETやSPECT:両側前頭葉の血流低下や代謝低下

 

 

以上、引用終わり…。

 

 

ひー、書いてあるううううう(*´▽`*)。

 

どのタイプも診断基準ではないもの、脳波が徐波化する、つまりθ波かδ波になるって書いてあるじゃないかー。

ぬかったわ…!

 

 

もしかしたら、他の本にはもっとわかりやすく書いてあるんでしょう。

一方、厚労省は、「認知症は脳波まで押さえておきなさい」、もしくは「脳波は病状による変化も押さえておきなさい」って言いたいのかな…。

 

結構、高度ね~( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \。

 

 

 

 

…ということで、来年受験される方、来年再トライされる方。

標準精神医学お勧めします。

 

私はもう一度、復習しまーす(笑)。

 

という、とってもくだらないお話でした…。

 

 


標準精神医学 第6版 (Standard textbook)

 


標準精神医学 第7版 (STANDARD TEXTBOOK)

 

公認心理師試験の感想と対策

先日の地震で防災の楽しさに目覚め、今度はどんなサバイバル作戦を立てようか、いろいろ企んでいるダメダメ心理士日本代表の私。

みなさん、いざという時の防災対策はしていますか?

 

みなさまの温かいご支援のお陰で、北海道も少しずつ日常を取り戻していますが、今度は何やら静岡の方で大規模停電とな…。

 

うーん、心配です…(;´・ω・)

 

いざ、というときに準備をしようとしても、どうにもならないのが防災対策なので、動けるうちにできるだけの準備をしておきましょ~。

 

 

さて、追加試験の日程も決まり、追加試験申込書も送り、とりあえず今後の目途が立ちました。

 

本来であれば、ここで「あと2か月ギリギリやってやるぜ!( ・`д・´)」と行きたいところなのですが、ちょっと気が抜けている私です。

 

なぜか。

 

実は先週の金曜日、追加試験の日程が決まったあと、9月9日(日)に本州で行われた公認心理師試験の問題を解いてみて、思いのほか解けてしまったからです。

 

 

おめー、前にTwitter

問題返したって書いてたじゃねーかー(゚д゚)!

 

と思ったそこのあなた。

 

 

ええ…、確かに返したんですよ。

1度はね。

 

 

しかし、その後、知り合いがたくさんいる前で、別の人に試験問題のコピーを渡され…、気の弱い私は断り切れず受け取ってしまったでござる…。

スミマセン…;つД`)。

 

なんか思いの外、試験問題が出回っているようで、心理職の知り合いそれぞれが独自のルートで入手していて、会う人、会う人、親切に私にもコピーを渡してくださるのですよ…。

 

決して悪気があるわけではないので、

本州のみなさん、許してやってくださいm(_ _)m。

 

 

そんでもって、持って帰ったのはいいのですが、良心の呵責もあり、とりあえず「追加試験終わってから解こう」と思って、そっと見えないところにしまっておいたのですが…。

 

 

先週発表になった追加試験の日程は12月16日(日)。

 

フゴ(・ω・ノ)ノ。

 

なんじゃ、私ら結局、

 

本州組の試験問題と解答が公表されてから

受験すんのかー(;´∀`)。

 

かー。

かー。

かー…。

 

 

…ということで、

「試験前に問題と答えがわかっちゃうんじゃ、今やったって後にやったって同じだわ」と思い、先週追加試験の日程が発表されてから解いてみたわけです。

 

そこで、今日は試験問題を解いていて、いくつか気づいたことや読めてきたことがあるので、これから12月の追加試験を受ける人、来年受験する人のために、覚え書きを残しておきたいと思います。

 

 

問題を解いてみた感想

 正直、意外なほど簡単、だと思いました。

 

それ、嫌味か?"(-""-)"

と反発まねきそうですが、偽らざる気持ちです。

 

基礎心理学関係はそんなに難しいところ出てなかったし、事例問題も複雑な内容ではなかったと感じています。

 

むしろ、事例問題は

あれ?こんなにあっけなく解けていいのかな?

とすら思ってました。

 

 

まだ、正式な解答が公表されていないので、合格点に達したかどうかはわかりませんが、個人的にはさくっと確信をもって正解と思われる選択肢を選べた(他に選択のしようがなかった)問題が5割くらい。

 

あまり自信がない解答が、残り半分。

で、わかんないけどとりあえずテキトーに答えとこう、と思ったのが残り半分、という感じでした。

 

ここまでさらっと解けた理由は2つあると思います。

 

理由その1:精神保健福祉士国家試験の過去問を解いていた

 

今回みなさんにとって一番悩ましかったのが、出題形式だったのではないでしょうか。

 

臨床心理士試験のように、〇と×がたくさんならんでいて、正しい組み合わせを選ぶ形式なのか、それともシンプルな5択式なのか。

 

うーん、私もどっちだろうとは思っていましたが、個人的には「公認心理師試験も他の国家試験と同じシンプルな5択式になるだろう」と踏んでいました。

 

そもそも、いくら心理職の資格試験と言えど、公認心理師試験は民間資格臨床心理士試験と異なり、国家試験です。

他の国家試験と違う出題形式を取るとは考えにくいと思っていました。

 

そこで、この出題形式に慣れるため、私は図書館で最新の精神保健福祉士国家試験の過去問を借りて、3年分解いていたんです。

 

ええ?そんなの役に立つの?(´゚д゚`) 

 

と思った、そこのあなた。

 

ええ、役に立ったんですよ。

少なくとも私には。

 

精神保健福祉士の試験には結構、基礎心理学心理療法の問題も出題されていますし、精神保健福祉の関連法規の問題や精神医学の問題も出題されています。

かなり内容が心理職の守備範囲と重なるので、解いていて損はないと思いました。

 

そして、9月9日(日)直前まで過去3年分の問題を解いていて、問題の傾向、正答の導き方、対策の取り方を確認していたんです。

 

 

驚くべきことに、本州組の第1回公認心理師試験には

 

過去の精神保健福祉士国家試験と

ほとんど同じ内容の問題が出題されていました。

 

いや、ホント。

何番目の問題かは、まだ言えないけど…(; ・`д・´)。

 

ということで、精神保健福祉士国家試験の過去問3年分を解いていた私にとっては、出題形式と内容でほとんど戸惑うことがなかったんです。

 

 

理由その2:精神科医療で働く心理職を標的にしたと思われる問題が多かった

 

これも結構、驚いたのですが、特に事例問題では精神科医療でよく出会う症例が多く、日常臨床で行う判断に基づいて考えれば、悩むことがほとんどなかったと思います。

精神医学の基礎知識をもって、心理検査心理療法の実践をしていたら、当然こういう選択になるだろうな、という内容が多かったと思われます。

 

そもそも、これまでを振り返るに、公認心理師精神科医精神科医療機関の強い要望でできた経緯があります。

 

また、この資格を取得できない心理職がいるために最も混乱すると予想されるのは、精神科医療の現場です。

 

ですので、精神医学に馴染みがあり、その臨床に携わる心理職が答えられる内容になってたんじゃないか、と思っています。

 

もちろん、教育、産業など、他領域の問題もたくさんありましたが、難易度はそれほど高くなかったと感じています。

 

総じて、問題の標的は現在、精神科医療機関で働く心理職だったんじゃないかと思っています。

(そうじゃないと救済措置として機能しないしね…)

 

 

今後の対策

 では、今後受験する人はどういう対策を取ればよいのか?

 

私は正式に受験したわけではないし、実際合格してもいないので確実に合格につながる保証もありません。

しかし、試験で混乱せずに済む対策はいくつかあると思います。

 

対策その1:精神保健福祉士試験の過去問を解く

まずは、ここからでしょう。

 

国家試験の出題形式は臨床心理士試験と異なり、かなりシンプルです。

ただし、引っかけ問題もあるので、こうした問題に対する対策もしておかなければなりません。

 

精神保健福祉士試験も公認心理師試験もシンプルな5択式ですが、ときに正答を2つ選ばせることもあるなど、独特です。

 

さらに難しい選択肢の問題は、実は確実にその知識を押さえていれば惑わされることなく、正答を選べる作りになっていたりもします。

 

こうした出題形式に慣れておくためにも、内容もかなり被っている精神保健福祉士試験の過去問を解いておくことは非常に役立つと思います。

 

 

 対策その2:精神医学とその治療の流れを把握しておく

事例問題はあまり複雑でなかったと思いますが、精神医学の知識がなかったり、実際の臨床に携わったことがない人には難しいと思われました。

 

特に、精神分析だけ、認知行動療法だけ、あるいは臨床心理学の研究だけ、というキャリアの心理職にとっては若干面食らったところもあったかと思われます。

 

個人的には、全ての問題の背後に、基本的な精神医学の知識、治療の知識、関連法規と臨床上の作法の知識が散りばめられていた、と感じます。

 

ですので、表面的な理解にとどまらず、精神医学の知識が心理学の知識とどういう風に関係して、現場でどういう判断で利用されているのか、という理解の部分を押さえておく必要があると思います。

 

こればっかりは、机上の勉強だけではわかりにくいと思われるので、身近に精神科医療機関で働いたことがある心理職、あるいは現役の心理職をつかまえて、レクチャーしてもらうと理解の助けになると思います。

(クリニックではなく、病床数が大きい精神科病院の心理職が望ましいです。さらに、精神科救急や医療観察法対象者、精神鑑定などを受け入れてる大きな精神科病院の臨床経験があり、統合失調症認知症、依存症などいろいろな疾患の治療に携わった経験があれば、なおいいでしょう)

 

 

 

 

 ということで、簡単に感想と対策を述べてみました。

 

どこまで有効かどうかわかりませんが、みなさんのお役に立てれば何よりです。

 

 

ちなみに今回私は半分くらいサクサク解けたので、

 

これ、がんばれば

ひょっとしてコンプできるかも?(*´▽`*)

 

という妄想に取りつかれてしまいました(笑)。

 

これはきっと厚労省の罠に違いないので、

みなさんは同じ罠にはまってはいけません。

 

 

時間があったら、参考書の覚え書きも残しておきたいと思います。

 

という、くだらないお話でした~。

いつも、スミマセン…(;´Д`)

 


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9月6日に起きたこと

本州では、ようやく第1回公認心理師試験が終了しましたね。

 

受験されたみなさん、お疲れさまでした(*´▽`*)。

できの良し悪し、気になると思いますが、受けてしまったものはしょうがない(笑)。

あとは、合否の判定を待ちましょう。

 

ところで、Twitterで私の記事を読んでいる方は既にご存知と思いますが、先日起こった北海道胆振東部地震により私が試験を受ける場所では急遽試験実施が中止になりました。

本当は今頃、このブログで試験の感想など書いてみたかったのですが、予定を変更して発災当日、私たちが住んでいる北海道でなにが起こったのか、書き残しておきたいと思います。

 

 

 

  発災とブラックアウト

 私は9月5日(水)、いつものようにTwitterに問題をアップした後、早めに就寝しました。

翌日9月7日(金)と8日(土)はお休みをいただき、試験勉強をする予定でした。

 

9月5日(水)は台風21号が通過したこともあり、街路樹が多数倒れていて、この日だけでも私の住む街は結構な被害を受けていました。

台風21号の影響だけで試験の実施は少し危ぶまれていたのですが、交通機関は動いていて何とかなりそうではありました。

 

ところが、9月6日(木)3:00過ぎ、突然ドドンという感じの強い揺れで私は目を覚ましました。

 

地震の揺れ自体はそんなに長くはなかったのですが、経験上、危険な揺れだと感じました。

私は枕元にあったタブレットPCで情報を確認しようと思いました。

私が普段、家の中で使っているインターネット接続のPCは、Wifi接続のみのタブレットPCとフリーSIM接続のタブレットPC(家の中ではWifi接続)、デスクトップPCです。

携帯電話はガラケーです。

 

今時ガラケーというのも不思議に思われるかもしれませんが、いろいろな経験から私は「電子機器のバッテリーはいざという時のために分散しておいた方がよい」と思っており、今でもタブレットPCガラケーにバッテリーと情報源を分散させています。

 

ところが、発災直後からWifi接続のみのタブレットPCはインターネットに接続していません。

そしてSIMフリー接続のタブレットPCは家の中なのにも関わらず、Wifiではなく、SIMカードの4G電波しかつながっていません。

 

「何かおかしい」と思い、最近NHKが始めているインターネットの緊急放送を見ようと、私はデスクトップPCを立ち上げようとしました。

 

真っ暗なのでデスクのライトをつけようとしましたが、反応しません。

そこで、私は自転車のカギにつけてあるキーホールダーのLEDライトを取り出しました。

このLEDライトはソーラー式充電のもので、春に買い替えたばかりでした。

 

ところが、LEDライトで電源を探し当てスイッチを押しても、デスクトップPCも反応しません。

  

この時初めて私は、「停電だ」と気づきました。

 発災からものの数分のできごとでした。

(後で発災直後に停電が起きたことを知りました)

 

ハッとすると、部屋の外から何かの警報器が鳴る音が聞こえます。

ガス漏れ探知器が鳴っているのかと思い、探知器のところに行ってみましたが、停電で探知器の電源自体が落ちていてライトがついていません。

 

どうもマンションの非常防火装置が稼働していたようです。

 

時刻は3:20くらい。

家も外もまっくら。

日の出にはまだ1時間くらいかかります。

 

外から人が集まって話し合っている声が聞こえてきましたが、暗闇の中出ていくことも危険と思われました。

 

電話が不通になる前に急いでガラケーで家族と連絡を取り、SIM接続しているタブレットPCのLINEで友人などの安否を確認しました。

携帯電話とタブレットPCの電源を分けていたことによって、これらの電源は翌日の夕方まで持ちました。

 

ただならぬ状況だと思い、この時点で朝が来たらすぐに病院(職場)に行かなければならないと思いました。

取り合えず家の中の安全を確認し、朝にすぐに動けるよう、少し睡眠を取ることにしました。

 

9月6日(木)

いつもより早い5:00に起きた私は、急いで支度をしました。

 

最初に発災時暗くて見つけられなかった携帯ラジオを探しました。

以前、いざという時のために2,000円くらいで買ったSONYの小型ラジオです。

また、いざという時のために買い置きしておいた乾電池も確認しました。

単3と単4の乾電池がそれぞれ10本超くらいあります。

他に充電済みの充電式電池が単3が4~5本、単4も同じく4~5本。

 

ラジオが動くのを確認して、NHKのラジオを聞きながら服装や持ち物を確認しました。

 

リュックサックに作業用手袋、多めのポケットティッシュ

 

停電しているのでガス給湯器は動きません。

冷たい水でさっと顔を洗いました。

迷いましたが念のため、携帯ラジオを持ちました。

ついでに一番容量が多い充電式電池もラジオ用にリュックサックに入れました。

 

幸いにもこの日の降水確率は低かったので、自転車で病院に向かうことにしました。

 

いつも行く近くのコンビニに行くと、既にたくさんの人が買い物に来ていました。

念のため乾電池を買い増ししようと思いましたが、既に売り切れ。

 炭酸水とシリアルバーが少し残っていたので、それぞれ2個ずつ買いました。

 

自転車で大きな道に出ると、どの信号機もついていません。

交差点では警察官が交通整理をしています。

しかし人手が足りないのか、ほとんどの交差点に交通整理の警察官はいません。

 

実は前日の台風で既に幾つか電源が落ちている信号機があり、職場に行くまでに警察官が交通整理をしている交差点を通っていたのですが、今日は昨日の比ではありません。

全ての信号機が停電のために動いていないのです。

 

この時、ようやく停電が広範囲に及んでいることがわかりました。

 

病院の状況

 職場の病院はすっかり電源が落ちていました。

電灯もクーラーも換気扇も、何もかも動きません。

 

出勤した数人の同僚と部署内の物品を確認し、私が持ってきた携帯ラジオで情報を取りました。

 

ラジオの放送をゆっくり聞いて、ようやく北海道全域が停電していることがわかりました。

そして復旧に少なくとも数時間~15時間かかることもわかりました。

 

 

電話は代表電話の外線が一本、非常用発電機で動いている以外は、部署ごとの直通回線は電話器に電源が供給されないため全滅です。

PHSなどの内線は稼働しますが、非常用発電機で動いているためあまり使えません。

 

この日は入院患者さんの心理業務の予定が入っていましたが、実施できる状況ではありません。

直ちにキャンセルをすることを決め、患者さんに説明しに病棟に向かいました。

 

停電のため、当然エレベーターは動きません。

 

私はいつも非常階段で病棟の上階まで行っているので階段で上がるのは苦ではありませんでしたが、停電のため非常階段の電灯も落ちておりまっくらです。

 

キーホルダーのLEDライトで足元を照らしながら、慎重に上りました。

他の職員はスマホで足元を照らしていたようです。

 

患者さんに状況を説明し、気分の確認もしました。

比較的落ち着いているようでした。

 

 

その後、院長主導の元、職員が集まって会議が行われました。

 

深刻なのは水でした。

 

水道は通っているのですが、ポンプで汲み上げているので、上水・下水とも水が病院全体に供給されません。

残っているのは病棟にあるタンクにわずかに残っている水のみです。

その水も塩素濃度が低下し、飲水に使うギリギリの状態です。

計算の結果、節約して使ったとしても半日しかもたないことがわかりました。

 

自家発電機はあるのですが、北海道全域が停電しており、復旧に時間を要し半日以上もかかる可能性があるのであれば、フル稼働させるわけにもいきません。

 

水がないので調理や食器洗いもできません。

停電で冷凍食品が使えなくなったので、入院患者さんに出す給食の食材も限られています。

 

他にも心肺モニター、サクション、電カル、薬包づくり…。

病院機能に必要な機材が停電のため、ことごとく使えなくなっていました。

 

主に医師、看護師、栄養士、ボイラーさんが知恵を絞って、窮状を切り抜ける方法を考えました。

 

ボイラーさんと事務職員が自家発電機の融通、軽油購入に取り掛かることになりました。

 

薬は薬剤師が紙で包んで配薬することに。

処方箋は手書きで。

外来に来た患者さんは受け入れするが、基本的にお薬手帳に書いてある薬だけを数日分などなど…。

 

やはり、一番大変なのは栄養士さんでした。

 

普段、病院業務では目立たない栄養士さん。

しかし、彼らは病院全体の衛生状態を維持するための重要な仕事を担っています。

 

上水管理、食品衛生管理、そして栄養管理と調理です。

 

患者さんの中には嚥下機能が低下しているため、食品を細かくしないと食べられない方もいます。

しかし、停電でミキサーが使えないため、栄養士さんはざるなどを使って手で潰して介助食を作らなければなりませんでした。

 

会議の前に不安になった患者さんが代表電話に電話してきて、お話ししました。

しかし、それ以外に、私にできることはほとんどありませんでした。

院長先生の指示に従い、医師、薬剤師、栄養士、ボイラーさん、事務職員、PSW以外の職員は帰宅しました。

 

タンクの水が切れるのが早いか、停電が復旧するのが早いか、時間との勝負でした。

 

 

9月7日(金)

朝、上司からの電話で病院の停電が解消され、病院機能が回復したことがわかりました。

優先的に通電してもらったようです。

 

私の家は6日(木)に早めに通電したため、タブレットPCと携帯電話をフル充電し、念のため携帯ラジオを持って家を出ました。

 

停電のため公共交通機関は動いておらず、天気予報も雨だったので、歩いて職場に行きました。

道路の信号機はまだどれも動いていませんでした。

 

 

出勤できた職員数名と一緒にデイケアを開くことにしました。

 

公共交通機関が動いていないので、デイケアに来た患者さんは少なかったのですが、一緒にささやかなプログラムを行いました。

 

中にはまだ停電が解消していない家の患者さんもいて、特別にスマホなどを病院で充電してもらいました。

 

患者さんの元気な顔を見れたので、私も少し安心しました。

 

午後には、昨日、心理業務をキャンセルした患者さんと今後の予定を話し合いました。

ご家族も面会にいらっしゃって、状況をお伺いしました。

 

夜には、まだ停電が続いている地域の友人を家に泊めました。

水も食料も限られていましたが、前日よりも安心した夜を過ごせました。

 

 

今回の教訓

今回の地震で、私が住む地域の病院が一斉に電源を喪失しました。

 

ニュースで災害指定病院が患者さんの受け入れを断ったなどの情報が流れていますが、背景には広域停電により全ての病院が一斉に電源を喪失したことがあると思われます。

 

本来であれば、医療計画に基づき、“ここの病院が機能喪失したら、次はこの病院”、“その病院が機能喪失したら、その次はこの病院”というように、各病院が連携を図って、お互いの機能を補完し合うようになっているのだと思われます。

 

しかし、今回は全ての病院が一斉に電源を喪失してしまったために、補完もできなかったのだと推測されます。

 

現在、日本は高度医療の恩恵を受けていますが、いかに多くの医療が電気に頼っているか、今回の件で痛感しました。

今後、同じようなブラックアウトが起きるとは限りませんが、いざという時のために、全ての病院が十分な自家発電機と軽油を常備しておくことが必要だと思いました。

 

また、万が一、電源喪失した時のための医療提供や衛生管理の危機マニュアルも作成しておく必要があると思われます。

 

 

個々のスタッフとしては、日ごろから自力で動けるよう準備を怠らないことが必要だと思います。

 

私は自分のサバイバルのために携帯ラジオ、電池、ソーラー充電式LEDライトを常備していましたが、これのお陰で初動を素早く行うことができました。

また、ガラケータブレットPCに情報収集やバッテリーを分散させたのも功を奏しました。

 

地震の時はガソリン不足などで車を動かせないこともあります。

そういう時のために、日ごろから体を鍛え、バッテリーや情報収集のポートフォリオを組んでおき、すぐに行動を起こせるようにする必要があると思います。

 

当院は今回の教訓を生かして、自家発電機の追加購入と軽油備蓄計画を立てることになりました。

私はソーラー式携帯充電器とより大きな乾電池式LEDライト、そして冬の発災に備えて、スキー用ウエアと手袋、雪道用ブーツを購入することに決めました。

 

 

 公認心理師試験について

 

 9月9日(日)に予定されていた北海道での公認心理師試験は、北海道胆振東部地震により中止され、後日、追加試験が行われることになりました。

 

予定通り受験できなかったことは残念ですが、個人的には心理研修センターの素早い判断に感謝しております。

 

理研修センターや厚労省の方もギリギリの判断だったでしょう。

今年度の受験がなくなったわけではないので、また試験勉強をしながら日程の発表を待ちたいと思います。

 

 

ところで、今回の発災時、私はまっ先に患者さんと病院のことを考えていました。

試験のことはどうにかなるくらいにしか思っていませんでした。

むしろ、来年度受験でもいいかな、とも思っていました。

 

 

みなさんの中には総合病院などとは違って、精神科病院の心理職がそんなに必死になる必要はないんじゃないか、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

 

しかし、精神科病院も患者さんの大切な命を預かっています。

特に最近は認知症の高齢者の入院患者さんが多いので、停電すると精神科でも患者さんの命の危機に直面します。

 

さらに、停電が長引けは衛生面や水なども確保が難しくなり、閉鎖病棟の患者さんをどうするか、という問題も出てきます。

 

決して、楽観はできないのです。

 

 

そうした時に、何より患者さんのために時間を割けたことはよかったと思っています。

私はキリスト教を信仰しているのですが、こうした状況で、患者さんのことを何より先に考えさせてくださり、さらに患者さんの元に行かせてくれたことを、神に感謝します。

 

今回の震災で亡くなられた方のご冥福を祈るとともに、被災された方や地域の回復を、心より祈念いたします。

 

みなさんも日ごろから、患者さん、クライアント、そしてご自分のためにできる限りの備えを心がけてください。

 

 

 

…ということで、明日から問題作りを再開します。

 

今年、遅れて受験する人も、来年以降受験する人も

 

カモーン!!(∩´∀`)∩

 

がんばって、厚労省のお役人に「ギャフン」と言わせましょう!

 

 

…という、やっぱりくだらないお話しでした(*´▽`*)。

 

公認心理師受験資格審査のあれやこれや 

暑い日が続いていますが、皆さん生きていますか?

 

ダメダメ心理士日本代表の私は、幸いにも職場が病院なので、出勤すれば冷房が効いているところで日中過ごすことができます。

でも家に帰るとものすごく暑くて、家で過ごされている患者さんがとっても心配です。

 

公認心理師試験を控えている皆さんも、今年は本当に暑く、熱中症で亡くなる方も多いので、体調に気をつけていきましょう。

(今年は災害も多かったです。被災された方にお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復興をお祈りしています☆彡 *.:*:.。.: (人 *))

 

さて、おやすみ中に資料を漁ったり、チョコレートを漁ったりして(*´∀`*)過ごしていましたが、いよいよ試験まで残すところあと1ヶ月あまりになりました。

 

問題作りにスパートをかけようと思った矢先、Twitter上で非常に気になる情報が取り交わされていました。

基本的に病院勤務の私には無関係なのですが、心情的に気になるところもあったので、個人的な考察を交えた覚え書きを残しておきたいと思います。

 

 

公認心理師受験資格審査落ち……、って( 。゚Д゚。)?

 

さて、ことの発端はある有名な臨床心理士の先生が、Twitter上で「公認心理師受験資格を認められない」という通知が来たことをご報告されたことです。

当該先生がこの一報を上げた途端、Twitter上の臨床心理士の先生方はにわかに騒然となりました。

 

まあ、私はすっきり爽やかダメダメ心理士なので、当該先生のすごさがいまいちピンと来なかったのですが(すまぬ…( ;´・ω・`))、たくさんのご著書があるところを見るに、かなり有名どころの先生だったと推察されます。

もちろん、私とは比較にならないほどの実力をお持ちでしょう。

(当該先生がぞうさんだったら、私はアリンコ。いや、むしろミジンコ?まあ、それくらい比べもんにならんちゅうことです)

 

その先生がまさかの“受験資格審査落ち”。

 

私も正直、びっくりしました。

 

そもそも

「受験資格審査落ちって、本当にあるの???」 Σ(゚д゚;) 

と、思った次第です。

 

いやはや、試験日まで1ヶ月というところで、審査落ちかあ…。

 

現任者講習を受ける段階でわかったならまだしも、試験直前ですからねえ。

あまりにショックで、相当ヤリキレナイ川でしょう。

 

他にもたくさんの先生が“審査落ち”の通知を受けたとの報告もあり 、早速、当該先生をはじめとした臨床心理士の先生方が審査結果の不服申し立てを準備しているようです…が。

 

かわいそうだけど、少なくとも今年の受験無理だろうな…||||(_ _。)

 

 これから再審査しようにも時間ないし、試験等もろもろの準備も間に合わなさそうだし…。

 

うーん…。

 

 

しかし、そうなると

“なんで資格審査に落ちたか?”

って疑問がわいてくるんですよね。

 

 

審査落ちした理由は?(๑• . •๑)

 

落ちた当人は当然ですが、多分ダイジョウブな私もすっごく気になる、その理由。

 

なぜ?

どうして、十分な実績と臨床経験があるにも関わらず、落とされた臨床心理士の先生が続出しているのか?

 

Twitter上では“個人開業”“私設相談室”“民間カウンセリング会社”などの先生方が審査落ちされているとの情報が散見されます。

 

つまり

医療機関(病院・診療所など)ではない

②公的機関(公務員など)でもない

③公的機関が関与する(福祉施設など公的機関が監査等を行うなど)こともない

という職場で働いていらっしゃる先生だ、と思われます。

 

完全な民間臨床心理士と言えると思います。

 

Twitter上では“個人開業の臨床心理士が不利に扱われてるのでは?”と読めそうな意見もちらっと見られました。

しかし一方で、足りない書類を再提出するよう連絡をもらった先生もいらっしゃるようで、どうも一概に“個人開業が不利”とも言えなさそうです。

 

はて、これいかに…(ο´・д・)??

 

どなたかもご指摘されていたように、今回の公認心理師受験資格審査は“臨床をちゃんとやってる心理職”と占い師や宗教の相談員、商品カウンセラーのような“自称心理職”を選別するために行われてるはずです。

(占い師や宗教の相談員、商品カウンセラーをバカにしているわけではありません。心理学をベースにした心理支援とこれらの相談・カウンセリング業務は違いますよ、ということです)

 

公認心理師の掌握官庁の1つ、厚労省のお役人さんだって、

どさくさ紛れに公認心理師を取った占い師さんが病院でアセスメントと称して占い始めちゃったり、

スクールカウンセラーとして布教しちゃったり、

キャリアカウンセリングとして商品売りつけちゃったりしたら

困るでしょう…。

 

なので、その辺きっちり線を引きたいんだと思います。

 

しかーし

 言うは易し、行うは難し。

 

一体どういう基準で線を引いたらいいのか?

 

 というのが、大きな問題だったんではないでしょうか。

 

ここでみなさんも考えてみてください。

 

あなたが厚労省のお役人だったら、

どういう方法で線引きしますか?(´・ω・`)

 

 …。

 

臨床心理士の資格を持っているかどうか?

 

ダメですよ。

臨床心理士民間資格です。

官公庁は特定の民間組織を特別扱いすることはできません。

 

きちんと臨床活動を行った記録が残っているかどうか?

 

ダメですよ。

クライアントの記録は守秘義務で守られています。

業務内容を証明するために第三者に情報提供することはできません。

 

私設相談室やカウンセリング会社に直接行って調査しますか?

 

ムリですよ。

人も時間も、とても足りません。

 

 

あとは?

あとは…?

 

 

あまり、これぞ!といった手がありませんよね… 。

 

例えば、これが医療機関や公的機関、公的機関が関与する機関だったらすごーく実務証明が楽なんですよ。

医療機関は届出事項など業務を証明する公的書類があるし、診療記録もあるし、公的機関も信頼性の高い記録がある。

公的機関が関与する機関も同様。

福祉施設は公的機関に設置届けを出すことになりますから、それが業務内容を証明します。

さらに、彼らは情報開示請求されたら、嘘偽りなく書類出さなきゃならないし、嘘ついたら罰せられる。

だから、長がポンっと判を押すだけでいいんです。

 

けど、完全にプライベートで動いている臨床心理士には公の機関が介入できないし、ごまかされても罰則がありません。

 

だから

線引きがヒジョーに難しいんだと思います。

 

 

ということで最終的に、

“自己申告による書類審査。ただし公的機関が発行するものに限る”

ということにして、5月24日に公表し、お知らせが間に合わなかった人には追加書類を求めたんじゃないか…。

 

というのが個人的推測です。

(もしかしたら、思ったよりも自称心理職が多すぎて、慌てて公的書類を求めたのかもしれません)

 

あくまで、個人的推測ですが。

 

 

 

もしかしたら違う理由も…? ( ・◇・)?(・◇・ )

 でも、そうすると“公的書類の提出を求められた人”と“求められなかった人(審査落ち)”の違いを説明できません。

 

まさか、申し込み順に審査して、時間切れになった人は審査落ちにしちゃったとか?

 

いやいや、ありえない。

厚労省はあくまで公的機関。

なんでも平等にがモットーです。

時間切れで差別は考えにくい。

 

 

Twitter上では、「行政不服審査法で何とかしよう!」という意見も見られますが…。

 

いやあ、どーだろー?

厚労省くらいのお役人だったら審査不服が続出するのは織り込み済みでしょう。

当然、事前に関係省庁と連携して、その辺きっちり理論武装してると思うけどなあ…。

 

 

…と思っていた矢先でした。

 

審査落ちしたカウンセリングの民間会社で働いている臨床心理士の先生が、申請書類に「診療所」と書いた、との情報が…。

 

ん?

んん?(*゚・゚)

 

(  Д ) ゚ ゚……え。

 

 

先生!
 

それはまずい!

まずいですよ!

 

それは医療法違反です!

 

はい、ここで民間の臨床心理士が「診療所」を称してはいけない理由がわからない人は、医療法を復習しましょう。

(公認心理師試験ブループリントの出題範囲です)

 

 

医療法第2条で病院・診療所は開設時に都道府県知事の許可を受けることになっている。

そして第10条で病院・診療所の管理者(つまり長)は医師と決められている。

 

www.mhlw.go.jp

 

 つまり、

都道府県知事の許可書もない民間会社が「診療所」を名乗ることは医療法違反。

臨床心理士が診療所の長を名乗ることも医療法違反。

どう転んでも医療法違反です。

 

 

みなさん。

 

厚労省は全国の医療機関の掌握官庁なんですよ。

当然、医療法は厚労省にとって最も重要な法律なんですよー。

それに違反していますよ、って実務証明書に書いたんですかー。

それは、審査通してもらえませんよーーーーー。

 

 

うわあああん。゜゜(´□`。)°゜

 

 

 はっ!Σ( ̄□ ̄;)

 

……もしかしたら、他の先生も医療機関と誤解させたり、「治療します」「治します」みたいなこと書いてたら……?

 

それは、医師法違反ですよー。

 

うわああああん。゜゜(´□`。)°゜

 

 

 

 …グスッ(つω・。)

 

厚労省のお役人がそういう文言の訂正をお願いするでしょうか?

いや、多分しないでしょう。

そんなことしてたら切りないし、そもそもどういう線引きしているか手の内明かすようなものだから、違法な文言が書かれている書類はばっさり

 

一括審査落ち

 

だったんではないでしょうか…。

 

あくまで、個人的推測ですが。

 

 

 

ということで、私なりに審査落ちの理由を考察してみました。

 

もし審査落ちしていたら、直ちに行政不服審査を申し立てる前に、医療法や医師法などに抵触するようなことを書いていなかったか、他の法律に抵触するようなことを書いていなかったか、チェックする必要があると思います。

 

みなさん、冷静になりましょう。

そうしたら、きっと受験の道が開かれるはずです(*´∀`*)

 

くだらない独り言 その4 神経心理学を勉強するための参考書

日本のどこかの病院で、毎日コソコソ臨床を積み重ねている私。

 

え?なんでコソコソしているのかって?

 

決まってるじゃないですかー。

後ろ暗いところがあるからですよ~(*´▽`*)。アッハッハー

 

そんな私も、9月に正々堂々と厚労省と勝負すべく、日々、試験勉強に励んでおります。

 

 

ところで、私はダメダメ心理士日本代表なので弱点が非常に多いです。

 

基礎心理学しかり、心理統計しかり、発達心理学しかり、臨床心理学しかり…。

 

…( ,,`・ω・´)ンンン?

全部だめじゃねーかー!

 

こんな私が臨床に携わっているとは、さすがの臨床心理士会会長もびっくりして椅子から落ちてしまわれるのではないかと心配です。

 

 

でも、そんな私でも唯一自信がある分野があります。

今の職場でもある精神科臨床です。

 

 

まあ、この辺は直前にさらっと『標準精神医学第7版』(医学書院)で確認するだけでいっかー、とか思っていたのですが…。

 

 

…なんか、怪しい。

なんか、忘れてる…。

…ムムム。 

 

…( ゚д゚)ハッ!

私、神経心理学、大丈夫なんだろうか…。

 

 

一応、臨床で神経心理学的検査やっているし、独学でも勉強してるからある程度知ってはいるんだけど…。

 

なんせ、ダメダメ心理士日本代表だからなー…(´・ω・)。

 

 

ということで、先日、書店で神経心理学の本を探してきました。

 

 

ちなみに、以前のエントリでもご紹介した通り、私は一応、何冊か神経心理学の本を持っています。

 

sakura0501.hatenablog.com

 

一応、個人的なおススメとしては『高次脳機能障害第2版』(医歯薬出版株式会社)と『神経心理学入門』(医学書院)なのですが…。

 


高次脳機能障害学第2版


神経心理学入門

 

…これ、読み下すのに時間かかるんだよねー。

 

 

高次脳機能障害学第2版』は既に医学や神経心理学がわかっているお医者さん向けだし、神経心理学もなかなか深くて初学者がさらっと理解するにはハードルが高い。

それに、実際の患者さんを前にしながら勉強するにはいいが、具体的な症例を見たことがないと本を読んでもわかりにくい。

 

ということで、書店で本を探したところ、良い本を見つけました。

 

 

それは、これだー。

 

 公認心理師カリキュラム準拠 臨床神経心理学

緑川晶・山口加代子・三村將 編 医歯薬出版株式会社


公認心理師カリキュラム準拠 臨床神経心理学 [神経・生理心理学]

 


臨床神経心理学 公認心理師カリキュラム準拠【神経・生理心理学】 [ 緑川晶 ]

 

 この本、堂々と公認心理師を意識して書かれているのですが、ちょっと他の本と次元が違うくらい、完成度が高いです。

既にAmazonではレビュアーさんに高い評価を受けていますが、禿同です。

 

内容は『高次脳機能障害』と『神経心理学入門』を足して、より初学者向けにわかりやすくした感じ。

神経心理学を独学で勉強した私は何かと基礎的な知識が疎かになっているのですが、この本で今までに取りこぼしていた知識を確認することができました。

 

 

さらに、この本には他の公認心理師本や既存の神経心理学にはないおススメポイントがあります。

それは次の通り。

 

①平易な文章で脳の機能、神経心理学の基礎から臨床まで、わかりやすい流れでまとめられている。

②見やすい図や症例が豊富で、実際の患者さんを見たことがない初学者でも具体的に理解しやすい。

③他領域との連携や関係法規などにも触れている。

 

 しかも、コラムや確認問題もたくさん載っていて、もう、

 

 

鼻血が出るくらい

完成度高すぎます(´▽`*)ワオ

 

 

おっといかん…(つд⊂)フキフキ。

 

 

ということで、激おススメです。

 

内容的にも満足。

『標準精神医学』(医学書院)、『高次脳機能障害第2版』(医歯薬出版株式会社)、『神経心理学入門』(医学書院)の合わせ読みで、公認心理師試験ブループリントの範囲は軽くクリアしちゃうでしょうし、今後の臨床にも十分耐えうる内容です。

 

医療機関で働いたことがない人、まだ臨床に出て間もない人、今大学院生だったり、これから大学院に行く人などなど、幅広い方におススメできます。

 

 

ちなみ、ここで、

「えー、神経心理学って医療領域以外で働く人も勉強する必要あるの?」

という声が聞こえてきそうです。

 

 

しかーし、神経心理学は公認心理師試験ブループリントにもしっかり載っています。

 

つまり、それは、

 

 「公認心理師になるからには、神経心理学心理的支援についても勉強せよ(。-`ω-)」

by厚労省

 

ということです。

 

前向きにがんばりましょう~。

 

 

それに、個人的にも、これから 公認心理師になる人には是非とも神経心理学は押さえておいて欲しいのです。

 

なぜかって?

 

それは、

 

どんな医療領域で働くにしても、

認知症高次脳機能障害、その他の脳の器質的異常による症状の患者さんを避けることができない

からです。

 

 

…みなさん、精神科って統合失調症うつ病の患者さんだけだと思っていませんか?

 

私も実際働くまでは、そう思ってました。

 

でも、違うんです。

 

精神科って、認知症高次脳機能障害など、脳の器質的異常による患者さんがひっじょーに多いんです。

 

長くなるので詳しくは別エントリで説明しますが、医療領域での実習が必修になったからには、公認心理師は神経心理学と関係する疾病の知識はデフォルトで装備しなければならなくなるでしょう。

 

 

ということで、安定したくだらなさの独り言でした(*´▽`*)。 

 

 

くだらない独り言 その3 発達心理学を学ぶための参考書

サッカーワールドカップで思いの外、検討している日本代表。

日本代表という点では私も負けてませんよ。

なんせ、“ダメダメ心理士日本代表”ですからね(*‘ω‘ *)エッヘン。

ダメダメ心理士ワールドカップがあったら、余裕で決勝進出しちゃう自信あります。

 

さて、そんな私も厚労省のムチャぶりは早く振り切ってしまいたいところです。

なんせ、公認心理師試験に合格しなければ、ダメダメ心理士ワールドカップがあっても出場権を失ってしまいますからね~。

 

ということで、お休み中、発達心理学関係の参考書を探していたのですが、なかなか良い本を見つけたので、ここに覚え書きを残しておきます。

 

それは、これだー。

 

『教育・保育・子育て支援のための発達臨床心理学』

伊藤恵子 文化書房博文社 2015

 


教育・保育・子育て支援のための発達臨床心理学

 


教育・保育・子育て支援のための発達臨床心理学 [ 伊藤恵子 ]

 

 

実は、学生時代から成人の精神障害者精神科医療に絞って勉強していたため、発達関係は結構疎い私。

基礎心理学もさることながら、かなり発達心理学関係は警戒していました。

 

そこで、お休みをもらっている最中、いつも行っている図書館で発達心理学関係の本を漁ったのですよ。

 

 

本当に漁ったんです(`・ω・´)

 

 

図書館に所蔵されている発達心理学や発達臨床心理学の本をあらかた持ってきて、公認心理師試験ブループリントとにらめっこしながら、片っ端から確認してきたわけですよ。

図書館の学生や職員さん、何事かと思ったでしょうね…。

 

 

その中で、一番、試験勉強に役立つと思ったのがこの本でした。

 

この本がいいところは、発達障害や生物学的基盤、法制度が網羅されているところです。

発達障害の項目はDSM‐5にも対応しており、普段ICD- 10しか見ていない私は、ひっじょーに勉強になりました。

 

また、知的障害の原因になり得るダウン症、脆弱X症候群なども詳しく、なおかつ簡潔に説明されていて、知的障害や発達障害の区分の変遷にも触れています。

その他、臨床心理学的アプローチの基礎、生物・心理・社会モデルなど、公認心理師試験ブループリントの結構な範囲をカバーしています。

 

個人的には試験勉強が終わっても手元に置いておきたい本だと思っています。

 

 

発達心理学関連の専門書は東京大学出版会が出している『発達心理学Ⅰ』『発達心理学Ⅱ』(無藤隆・子安増生 編)がまずは鉄板だと思われるのですが、医学的知識と周辺との関係の情報を集め、わかりやすくまとめている点では『教育・保育・子育て支援のための発達臨床心理学』の方が公認心理師試験勉強に向いていると言えるでしょう。

 

発達心理学の基礎的な本は持っているけど、もう1冊試験勉強のために何かほしい、という方におススメです。

 

という、やっぱりくだらないご報告でした~。ちゃんちゃん。(*´▽`*)

 

※こうした試験勉強を通して、有名どころではない先生の著書に光が当てられるといいな…とか思っています。

 

『精神科治療学』のススメ

約1か月お休みしていた、ダメダメ心理士日本代表の私。

実はダメダメが苗字(family name)で心理士が名前(first name)です(ウソ)。

 

さて、お休みいただいていた最中も、いろいろやっていました。

 

息したり、ご飯食べたり、寝ていたり…(←小学生レベル)。

 

他にも文献を漁っていたのですが、公認心理師試験に役立つ文献で、今までとはちょっと違うものを見つけたので、ここに覚え書きを残しておきます。

 

 

『精神科治療学』のススメ

私の愛読雑誌の1つに『精神科治療学』があります。

みなさん、ご存知でしょうか。

 

『精神科治療学』は星和書店から発行されている、いわば精神科治療総合雑誌です。

 


精神科治療学 Vol.33 No.6 2018年6月号〈特集〉カタトニア(緊張病)の診断・治療を問う[雑誌]

www.seiwa-pb.co.jp

 

 私の職場では定期購読していてDrの愛読者が多いようですが、臨床心理士養成大学院の図書館にも置いていて、私は学生時代から愛読していました。

 

この雑誌が優れているところは、精神医学だけではなく、その周辺や関連事項も特集で取り上げて、ありとあらゆる分野の専門家が執筆しているところです。

 

公認心理師が国家資格になったときには『精神科治療学』でも大きな特集が組まれて、臨床心理士の先生も寄稿なさっていました。

 

 

そんな、『精神科治療学』。

実は公認心理師試験を勉強するにも大いに役立ちます。

 

精神科治療総合雑誌なので、周産期、学校、児童心理学などの分野の特集も組まれることがあり、その道の専門家が執筆されています。

 

さらに、当然、専門雑誌ですから、情報は最新でリアルタイムで法改正と課題などを追っていきますし、査読済みですから情報の信頼性も高いんです。

 

1本読むのに30分くらいあれば十分。

紙幅が限られているので、要点もまとまっており、読破に時間がかからないのも助かります。

図書館でコピーするのに長い論文でも数十円くらいしかかからないので、お財布に優しいです。

 

 

ということで、今回は私が『精神科治療学』で見つけた、公認心理師試験に役立つと思われる論文をご紹介します。

(既読、未読のものが混ざっています。また、探しやすさを優先するため、巻・号、論文タイトル、発行年数から先に表示しています。ご了承ください)

 

 

公認心理師試験勉強におススメの論文

 

 

精神科治療学第31巻第7号 2016 特集ーこころの病理をさかのぼるー精神医学における乳幼児期の意義ー

・乳幼児精神医学という視点 石塚佳奈子・本城秀次 Pp839-843.

・乳幼児期の心理学に関する最近の動向 -心の理論の源流をもとめてー 大藪泰 Pp845‐850.

・妊娠・出産をめぐる母親の精神保健と乳幼児期の精神保健 キタ幸子・上別府圭子 Pp851‐857.

・乳幼児期のアタッチメントの形成とその障害 -その理解と治療ー 青木豊

Pp859‐864.

※アタッチメントとアタッチメント不全の場合に起きる障害、DSM‐5上の分類について学べる。

・乳幼児期の被虐待体験とその後の精神発達への影響 -反応性アタッチメント障害と発達性トラウマ障害ー 友田明美 Pp865‐871.

※アタッチメントとその障害だけではなく、PTSDや生物学的基盤についても学べる。

・乳幼児期における愛着傷害の長期予後 御園生直美・上鹿渡和宏 Pp881‐885.

※愛着傷害とその歴史的背景について学べる。

・乳幼児の精神医学的診察の実際 ー子どもの行動観察を中心にー 本田秀夫 Pp913‐919.

 

精神科治療学第33巻第4号 2018 特集ー対人関係をめぐる精神科臨床

・小児期のアタッチメント/トラウマと成人期の対人関係 山下洋 Pp419‐426.

※アタッチメント障害、メンタライゼーションなど、発達心理学の幅広い概念を学べる。

 

精神科治療学第31巻第4号 2016 特集ー学校と精神医学Ⅰ

・学校精神保健に関する行政の動き 丹羽登 Pp435‐441.

※学校教育制度、特別支援学級など、制度面について学べる。発達障害の区分について精神医学、行政および教育分野での違いがまとめられている。必読。

・インクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進と合理的配慮の提供ー「気づき」「支え」「つなぐ」システムづくりと医療-教育連携ー 田中裕一 Pp443‐448.

・学校における合理的配慮と精神医学 内山登紀夫 Pp449‐455.

発達障害と合理的配慮、その法的根拠について学べる。必読。

発達障害と学校精神保健 宇野洋太 Pp457‐464.

発達障害と学校での支援、経過および今後の展望を学べる。

 

精神科治療学第31巻第2号 2016 特集ー認知療法認知行動療法の広がり

・加害者の矯正教育への認知行動療法の応用 髙岸百合子 Pp233‐238.

 

精神科治療学第30巻第1号 2015 特集ー精神科治療学創刊30周年記念特集①ー精神科医療技術の将来ー

・動機づけ面接 原井宏明 Pp105‐110.

EMDR -PTSD以外の精神疾患への適用の有効性ー 市井雅哉・大塚美菜子 Pp129‐133.

 

精神科治療学第30巻第1号 2015 特集ー精神科治療学創刊30周年記念特集②ー10年後の精神医療に望むこと、そのために今できることー

・老年期・認知症のための精神医療サービスの展望 天野直二 Pp271‐276. 

 

精神科治療学第31号第10号 特集ー精神科医療における安全管理Ⅰ

・医療事故調査制度は精神科医療にどのような影響を与えるか 江口研 Pp1245‐1250.

精神科医療と民事訴訟 木ノ元直樹 Pp1251‐1256.

精神科医療における個人情報保護 中島直 Pp1257‐1262.

守秘義務とTarasoff判決の関連性について詳しい。

・コンサルテーション・リエゾンサービスにおける安全管理 和田健 Pp1295‐1301.

精神科病院における院内感染防止対策 -アウトブレイクを経験してー 鈴木健一・村上直人 Pp1339‐1347.

医療機関で働いたことがない人は必読

 

精神科治療学第31号第11号 特集ー精神科医療における安全管理Ⅱ

・地域精神保健福祉活動における安全管理 -受信援助や移送を中心にー 波床将材 Pp1383‐1388.

・外来患者の自殺予防 玄東和・張賢徳 Pp1395‐1402.

 

精神科治療学第31巻第11号

・改正自殺対策基本法について -その意義と課題ー 竹島正 Pp1487‐1492.

自殺対策基本法と成立経緯、内容、現場の実践を概観できる。

 

精神科治療学第30巻第5号

・幻覚妄想状態を呈したHIV感染症の一例 田中真由美・岩本行生・清野仁美・湖海正尋・松永寿人・徳川多津子・澤田暁宏・日笠聡 Pp701‐706.

HIVHIV関連認知症を学べる。医療機関で働いたことがない人は必読

 

 精神科治療学第31巻第6号

非行を発見した医療者が行う地域連携と守秘義務に関する法的研究 石川博康・小野貴子 Pp803‐810.

 

 

 

…こんなところでしょうか。(´ω`;)フー

 

他にもタイムリーな論文が数多くあるので、どうもいい文献を見つけられないという人は、当たってみるといいと思います。

個人的には発達障害関連や教育、合理的配慮の知識が不足していたので、アタッチメントや学校と精神医学の特集はものすごく役立ちました。

 

ちなみに、雑誌『精神医学』(医学書院)は医学的治療に重点が置かれており、薬物治療などの勉強になります。

 

みなさん、チェックしてみてくださいね。(*´▽`*)